ぶつぶつ呟くオレに2人が注目する。

その視線がなんか痛い。


「あいつ……オレの兄貴ともつきあっとったし……」


うんうんって感じでケンジが頷く。


「なるほどなぁ……。確かに気になるな。兄貴と別な意味でも“キョウダイ”になるもんな」


「“キョウダイ”とか言うなよぉー……」


オレはわざとらしい感じで顔を両手で覆って、そのままポスンと崩れるようにソファに身を沈めた。


ケンジのやつ……。

人がせっかく言葉を選んで発言してるのに、なんでそうはっきりと言うかなぁ。


そう。

オレが気にしてるのは、くだらなくもあり、だけどオレにとってはかなりデリケートな問題だった。


兄貴とユウはヤったのかな。


2人が付き合ったのは、かれこれ5年も前で、ユウはあの時、まだ中学1年生だ。

付き合った期間もそう長くはなかったし、常識的に考えてやってなかったんじゃないかって思ってる。

だけどユウは、あの頃からすでに充分大人っぽくて……。


うぁああああ。