シィ君はまたケンちゃんと交換したのか、荷台つきの自転車を用意していた。


「ハイ。後ろ乗ってや」


荷台をポンポンと叩いている。


でも、わたしはそれを頑なに拒んだ。

だって、シィ君はユカリちゃんの彼氏だもん。

友達の彼氏と二人乗りなんて、絶対できない。


頑として譲らないわたしに、シィ君はしぶしぶ諦めてくれた。


「じゃぁ……歩くかぁ」


そう言って、わたしの肩から鞄を抜き取ると前カゴに乗せた。