「本気にしたん?」



「ほぇ?」


思わず、ヘンな声だしちゃった。

どういうこと?


「また騙されてるし! ウソに決まってるやん。純粋の日本人やで! 両親とも、バリバリ日本人! 髪も染めてますー」


「………」


「ほんまに、ちぃちゃんて騙されやすいなぁ……」


サトシ君はくっくって肩を揺らして笑っている。


がーん……。

またからかわれた?


もう、ヤダ……。

この人ってなんか苦手。


つかみどころがないっていうか……。

どこまでが本心なのか、全然読めない。


「どうせわたしは騙されやすいですよ!」


プイッと膨れて、窓の方に目をやった。

明々と電気の灯ったリビングの様子はここから丸見えで、楽しげに会話をしているシィ君とユカリちゃんの姿が目に入った。


ひょっとして、サトシ君はわざとわたしを連れ出してくれたのかな。

二人を前にして、ずっと作り笑顔をしていたことに気付いてくれたのかもしれない。