「ほんまにアホやな……」


ガーン。

アホって……2回も言われた……。


「けど……」


サトシ君は、わたしの髪についた雪を手で払いながら


「よう頑張ったな」


そう言ってにっこり笑った。



「しっかし寒っ! ちぃちゃん、一緒に帰ろう! あったかいお茶でもご馳走するわ」


サトシ君の顔をじぃっと見つめた。

もしかして……なぐさめてくれようとしてるのかな。




「ん?」


サトシ君は首を傾げた。

そんな彼に、わたしはまだ目に涙を浮かべながらも、にっこり微笑んで言った。


「じゃ。キャラメルミルクティーで」


「よっしゃ」




その雪は結局一晩中降り続いて、


わたし達の住む街を絵の具みたいに白く染めた。