「さっきの人……彼氏の友達やねん」


そうなのか……。

だからA高の制服を着てたんだ。


「彼氏っていっても、昨日、別れてんけど」


「え……」


「彼氏……浮気しててん」




「浮気?」


そうだったんだ……。

だとしても、なんでユカリちゃんが殴られるの?


ユカリちゃんはわたしから目をそらすと、窓の外をぼんやりと眺めながら言葉を続けた。


「うん。めっちゃ腹がたって……。それでわたし……」


一瞬、口ごもって、それからスーッと息を吐き出すように呟いた。





「……あてつけに、彼氏の友達と寝た」