知ってた？

シィ君の気持ちに気づいてたの？

じゃ、なんで……？


「わたしなぁ……。初めて男の子と付き合って……それから別れた時に思ってん。付き合うっていうのは、必ずその後に別れがやってくるんやなぁ……って。当たり前のことやねんけどな。誰かを失うっていうのは、めっちゃ辛かってん。元の関係になんて、簡単には戻られへん」


うん……。

そうだね……。

わたしもそうだった。

忘れようとすればするほど、絡みついて逃れられなかった。

こんなに辛いなら、最初から付き合わなければ良かったとさえ思うこともあった。


「その時、思ってん。ナオとだけは付き合わんとこって。ナオを失うのだけは嫌やってん」


ユカリちゃん……それって……。


「誰と付き合っても、わたしにとって一番大切なんは、ナオやった。幼馴染でいたら、ずっと近くに居られるから……。それで良かった。この関係を壊すのが怖かってん」


ユカリちゃん……。


もう、わたしも涙で顔がぐしょぐしょだった。


それって……最上級の愛情だよ。


傍に居たいから、今の関係を壊したくない。

わたしも、今そうやって“友達”を演じている。

けどユカリちゃんは、何年もそんな想いをずっと抱えていたんだ……。


わたしは片思いだからしょうがない。

だけど、二人は違う……！