声が震えた。

顔が見れない……。


シィ君は何も答えない。

わたしもそれ以上、何も言えない。



――ブブ――!

通りを走る車のクラクションが響いた。

行き交う人のざわめきが反響する。

随分時間が経ったような錯覚に陥った。


シィ君はようやく口を開いた。


たった一言だけ。










「ごめん……」