シィ君はそのまましばらく進んでいたけど、数メートル行った先でようやくわたしが立ち止まっていることに気付いた。

慌てて、駆け寄って戻って来てくれた。


「ごめん、ごめん。ついて来てるって思ってたのに、おらへんからビックリしたわ」


「………」


「どしたん? ちぃちゃん……?」


シィ君はさっきから下を向いているわたしの顔を覗き込んだ。



今までずっと気になってたこと。

だけど、勇気がなくて言えなかったこと。

彼の口から聞きたかった

たった一つの言葉。


「シィ君……と……き?」


振り絞った言葉は、途切れて上手く言えなかった。


「ん?」


シィ君は、優しい声で聞き返す。






「わたしのこと……好き?」