この感じ……何?

胸の奥に、何か虫のような生き物がざわついて、うごめいているような感覚。


「あ。そうや。ゴムでくくる? わたし持ってるよー」


相変わらず楽しそうに話し続けるユカリちゃんの声が耳に突き刺さる。


イヤだ。

シィ君に触らないで……ユカリちゃん。


なんで、こんな風に思うんだろう。

シィ君とユカリちゃんにはわたしが入り込めないぐらいの長い歴史がある。

幼馴染のふたりが仲が良いのは、当たり前のことなのに。


こんな気持ち……嫌だ。


自分がひどく醜く思えた。


誰にも気付かれたくなくて、ただ下を向いてご飯を口に運んだ。

味なんてわからないのに……。



誰かを好きになるって感情は、

純粋でキラキラと輝くようなキレイなものだと思っていた。

だけど、今わたしの中で芽生えたそれは……。



神様……

彼が自分だけの物であって欲しい

彼に自分だけを見て欲しい

そう思うのは

わたしのエゴですか?



わたしはその日

自分の中にある、どうしようもなく苦い感情を生まれて初めて知った。