すぐそばで言われた、その言葉の意味が一瞬わからなかった。

でも、いつも見慣れた彼の顔が赤く染まっているのは、夕陽のせいだけじゃない気がした。



ヒグラシの鳴く公園で


17歳になったその日に


わたしはシィ君の彼女になった。





――チャプン…


その日の夜、お風呂に浸かりながら、今日の出来事を思い返していた。


付き合う……ってことは、彼女になるの?

わたしが?


なんだか、まだ信じられない。

夢だったんじゃないかって思う。

ってゆか、わたしがずっと思い描いていた『告白』の場面とはかけ離れていた気がする。



例えば……(以下、妄想)

『シィ君が好き……』

『えっ。実は、オレもずっと前から好きだったんだ。……オレと付き合って欲しい』

『シィ君……』

夕陽を背景にして、ギュっと抱き合う二人。



みたいなのを想像してたんですけど――――!(漫画の読みすぎ)