結局私達は始業式に出ることを諦めて、静かな教室で時が過ぎるのを待つことにした。

一つの机を間に挟んで向かい合うように椅子に座る。

何気ない日常会話をぽつりぽつりと繰り返していると、ふいに一瞬の沈黙がやってきた。

全校生徒は始業式に参加して、校長先生の長くて退屈な話に耳を傾けているに違いない。

そんな中、こうして誰もいない教室で過ごす時間は、非現実的なように思えた。


「あの一年生は間に合ったのかな……」