もう、トメラレナイノ?
トオル君を…


何度か、阻止しようとした。それでも…ダメだった。


「カヨコちゃん、大丈夫?」
あ…

「杏可さん…」


杏可さんは、私を受け入れてくれた。
幽霊の私の依り代を…


「大丈夫です。」

「私なりにね、いじめの事を調べたんだけど…あ、家いこ!」


***

「カヨコちゃんだよね?」

「はい。」

「図書室の新聞を借りてきたんだ。そしたら…

《○*学校で、いじめにて自殺。
尺嘴(さしはし)享君(13)》って、尺嘴享って言うんだ。その…カヨコちゃんが…」

新聞を読み上げた。


「時代は…昭和⁉︎」
昭和…


「えーと、《自殺の動機は過度のいじめによるものが原因。担任は、知らなかったと言う…》

ひどい…あ、今も言えないか…。」

続きを読む。

《尚、自殺に追いやったと言う、加害者達に後日、警察は聞こうとしたが、加害者達は皆…》

「嘘…行方不明に、縊死(いし)?とか…?ねぇ、これって…」


トオル君の仕業だ…

「そういえば…カヨコちゃんは、その…」

「私、どうやって死んだか…覚えてないの。」

覚えてない。

「そっか。ま、思い出したくないのかもね。きっと…」


「杏可さん…」

私は、前後の記憶がない。
けど、トオル君は覚えてる…不思議だ。


「さて、どうするの?」

「えーと、杏可さん、風見さん?の…家に…行ってくれますか?」

学校は、暫く行けないらしい。

杏可さんのクラスのみ…


事が落ち着いたら、再会するようですけど…


「えーと、ちゃんじゃなくて…さんの方が良いかな?あ、逆に…ちゃん付けで良いよ…」


うーん…

「呼び捨てでも?」

「良いですよ!カヨコさん!」


「さん付けだけで良いよ。敬語は…ちょっと…」

年上なんだなぁ…ま、いっか。