執事ロード

「お嬢様、お嬢様?起きてくださいませ!朝でございますよ?今日は、いいお天気ですよ。こんな日はご友人方と庭でランチでもされてはいかがでしょうか?」


「....」


「お嬢様?」

「うるさい!黙って!言ったでしょ?貴方と係る気はないの!邪魔!」


ほんと何なのよ、いい加減にしてよ、


おせっかいなのよ! 


「まだ、僕のこと嫌っていらしたんですね?僕は何か、お嬢様の気に触ることをしましたか?」


してないとでも?まぁーいいけど、


「私は貴方のそうゆうところが嫌いなのよ!」



「どうしてですか?僕では何か不安ですか?僕はただお嬢様のお役に立ちたいだけです、僕を利用してくれていいのです、ですから、....」


「だから、そうゆうところが嫌いなのよ、お願いだから私に関わらないで!」


「お嬢様ー!お待ちください!」



私は彼の手を払いのけその部屋を後にした、



何なのよーー、


私の名前は伊集院あおい
   (イジュウイン アオイ)

あの、むかつく執事の名前は、

知らない!


あの人は名前も名乗らないし、しかも、私はあの執事がどうも苦手だ、


何故かと聞かれると分からないけど、
何か隠しているように思える、
それが嫌だ



「お嬢様ー待ってくださいませ!」

彼が追いついてきて私の手を掴んだ!


「だから、ついて来ないでよ、何なの?ストーカー?私は貴方のような人が嫌いなの、何度言えわせればわかるの?」


私は彼の手を払おうとした、だが、外れない…

一体何?何で手を話してくれないの?


「お嬢様、僕の話を聞いてください!」


「いいからこの手を放してよ!」


「走るのは構いません、ですが、ちゃんと見て走ってください、お足元見てみればいかがですか?」

は?足元に何があるっていうのよ!

そこにあったのは、少し大きめの石、

え?まさか、これに気づいて私の手を?

私が、唖然としていると、私に掴んでいた手が離れた、

そして、私の前まで来て、
その石は、執事のズボンのポケットの中に消えていった

そして、その執事は私の前まで来て、目の前でしゃがんだ、

「お怪我がなくてよかったです!もしも、お嬢様が怪我をなさられてたらと思いますと、僕は、…」

「……」

「僕はただ、お嬢様のお世話をしたいだけ、お嬢様のために、貴方のお側で、貴方の事を見守りたいだけなのです!」

まぁー、少しだけなら、仲良しであげてもいいかも…
「貴方、名前は?…あっ!下の名前だけ答えて、」

「ゆう、…や、優哉です、」

えっ?ゆうや?

一瞬脳内によぎる過去の思い出、

『おにぃ~ちゃん、ど〜〜こ?』

『あおい、あおい!ここだよ!おいで!』

『おにぃ~ちゃんーー!うわぁーーーん、』

『まったく、あおいは泣き虫だなー』

そう言って優しく微笑みながら、頭を撫でてくれた、私はそんな兄が大好きだった、
今ではそんな事は過去の思い出、

会いたいな…

「お嬢…様?どうかなさられましたか?」

「えっ?いや、そのー、兄と名前が似てるものだから、私の兄は、直哉(ナオヤ)って言うの、だから思い出してしまって」

「…」

「よく覚えてないんだけどね?私の兄は、すごく優しかった、私のことを一番に考えてくれて、でも、気づいたら居なくなっていたわ、もしかしたら、ただの夢なのかもしれないけどね?」

「どうしてそう思われるのですか?」

「私ね?…記憶喪失なの、唯一私が覚えていたのは兄だけなの、まぁーでも、あやふやだけどね?お父様もお母様も本当の親ではないの、私の家族を探したのだけれど見つからなかったのよ、おまけに私は記憶喪失、探す手立てがなくて結局見つからなかったのよ…」


「お嬢様…」


「実はまだ記憶が戻ってないのよ、だから兄がいたのかいなかったのか、それさえもわからないの、どうしてあの日、雨の中にいたのか…私の両親はどこにいるのか…何も思い出せないの....まるでおとぎ話の様よね?笑えてくるわ……」


「さぞ、苦しかったでしょうね?でも、夢ではないと思います、お嬢様のお兄様は必ずいらっしゃると思います」

「どうかしらね?でも、出来る事なら会ってみたいわね、夢でなければ…ね、」

どんな事をしてでも、最後に…会いたいわ、血のつながった家族に…


「って何あんたなんかに語ってるのよ私は、変なの…忘れて構わないから!」

そうよ、何でこんなクソ執事なんかにこんな話してんのよ、こんな嘘かもしれない話誰が信じるっていうのよ!
あ〜~!私のバカー!

「お嬢様?夢とは、諦めてしまえばただの夢ですですが、努力すれば夢ではなく現実になります!お嬢様!お兄様がいないと思うのならばその話は嘘となります、ですが!いると信じるのならばその話は現実になります!お嬢様はすべてを夢に変えてしまわれるおつもりですか?」


何でこんな執事に心が動かされるのだろう、この執事と話していると何故か懐かしく思えてくる、私の兄って、いや、名前も違うのに…

「ねぇー、優…哉…?私…何処かで貴方と会った事あるかしら?」