「でも違ってた。仕事に向かってる車の中も、会社でも、頭の中にいつも倫子さんがいて、気付いたらいつも倫子さんを探してた……。マンションも、もしかしたら倫子さんが来るんじゃないかって、引き払えなかった」
「……」
「あんな風に別れて、倫子さん来るわけないのにね」
そう言ってシュウは私を見て苦笑いする。
そしてシュウは私を強く見つめて言った。
「倫子さんにずっと一緒にいてほしい」
シュウのその言葉を聞いた時、産まれて初めて告白された時みたいに、身体中の血液が熱くなった。
ずっと叶わなかった想いが今、叶おうとしてる……。
でも、素直にうなずけない私がいた。
嫌な訳じゃない。
怖いんだ。
叶いかけた夢が、音を立てて簡単に壊れたあの日が。
又くるんじゃないかって……。
又シュウと離れる日がくるんじゃないかって。
怖いんだ……。
すごく嬉しいのに幸せなのに、傷付くことから自分を守ろうとする、臆病な私が顔を覗かせる。
「ごめん。勝手すぎるよね。でも俺は倫子さんじゃないとダメなんだ。倫子さんがいないと……生きてる気がしない」
「……っ」
私は思わずシュウに抱きついた。
でも……。
「……怖いの」



