「あー、私じゃダメだって思った。私といるとダメになるって……思ったのよ」
ゆかりさんはその言葉を軽く吐き出し、目を少し潤ませながら笑って見せた。
「……」
「だから早く迎えに行ってあげて」
ゆかりさんは立ち上がり私の肩をポンと叩いた。
その時裕介が走りながら、私を呼ぶ。
「ママー!はるなちゃんかえるっていうから、もうかえろ」
その光景を見たゆかりさんは、ビックリした顔をして私に聞いた。
「……もしかして秀明の」
私はその言葉を遮るように言う。
「裕介は、この子は私の子供です」
まだなにも解らない裕介の前で、シュウの名前を口にしてほしくないんだ。
今はまだ……。
「本当にそっくりね……」
「誰に?」
私はゆかりさんの目をジッと見て、言わないでと訴えた。
「お母さんによ。神田さん……私、もう少しここで休んでから帰るわ。伝えたいことは伝えたから」
私は会釈をして、裕介の手を引っ張って家へと向かう。
「さっきのひとはだれ?」
「……初めて会った人だよ」
「ふーん」
はるなちゃんと遊んで上機嫌な裕介とは正反対に、私は上の空だった……。



