ああ、この女の子に会いたくて公園に行きたがっていたのね。
小さな裕介の恋が可愛くて、私はベンチに座って裕介と女の子が遊んでいるのを見る。
すると裕介は私の方を見て、走ってくると笑顔で言った。
「おやつ、はるなちゃんとたべていい?」
「いいよ」
私は鞄からお菓子を取り出し、裕介に渡す。
裕介はお菓子を持ってはるなちゃんの所に走っていった。
裕介もいつか大人になって、女の子を連れてくるのかな……。
まだまだ先だけど。
そう思ったとき、ひとりの女の人が歩いてきて、私に声を掛けた。
「……神田倫子さんですか?」
「……はい」
女の人は色が白くて、セミロングの髪がサラサラしていて、折れてしまいそうなくらい細い。
すごく辛そうな顔をしていて、私はすぐに分かった。
シュウの……、
シュウのあの車椅子の、
ゆかりさん……。
けど、なんでここにいるの?
なんで私に声を掛けるの?
色んな思いが頭の中を駆け巡って、胸がバクバクした。
「……隣……いいですか?」
私が黙ってうなずくと、ゆかりさんはゆっくりと私の隣に座った。
なんで……?
私とシュウはとっくに終わってるのに、なんで今更こんな所に来るの……?



