シュウの話はすぐに終わって、その後誰の口からもシュウの名前を聞くことはなかった。
少しホッとし、少し寂しくもある。
そして時間は流れてることに私は気付いた。
あれだけ騒がれていたシュウ。
今は話題になることも少ないんだ。
私にとってはとてつもない大きなニュースは、世間ではとても小さい。
裕介が成長した分……。
時間は流れている。
それはきっとシュウの中でも同じなんだ。
だから、シュウがもしかしたら迎えに来るんじゃないかなんて考えたらダメ。
期待したらダメ。
自分に言い聞かせた。
―三ヶ月後
「ママ、こうえんにいきたい」
「公園?じゃあ、おやつ持って行こうか」
「うん!」
戸棚の中のお菓子を少し、鞄の中に入れて裕介と公園に出掛ける。
少し肌寒くなってきたこの季節は、シュウを迎えに行ったあの日を思い出して、切なくなる。
時間は流れたんだと言い聞かせた通り、シュウからの連絡は一切なくて、私は裕介と生きることだけを考える。
「ママ、はやくはやく!」
裕介は嬉しそうに公園の中に入っていく。
「裕介ー、転ぶよ?」
少し小走りに裕介を追いかけると、裕介は嬉しそうに女の子と話していた。



