―日曜日



「裕介、今日はね、遊園地に行くよ」


「ほんと?!」


「うん。片瀬さんって男の人も一緒」


「ふーん……。ママとふたりじゃないの?」


「あっ、嫌ならいいのよ。ママとふたりでも」


「……べつにいいけど」



裕介、あまり乗り気じゃないのかな?


でも遊園地に着いたら、喜ぶよね?


私は少し不安になりながらも、裕介と遊園地に向かう。


裕介ははしゃがないで、バスの外を黙ったまま眺めていた。



「裕介、ここで降りるよ」


「うん」



裕介と手を繋ぎ、私は遊園地に向かう。



遊園地に着くと片瀬さんはもう来ていて、少し照れ臭そうに会釈をした。


裕介は握った手に少し力を入れる。


男の人と出掛けることは父親以外今までなくて、戸惑っているのかもしれない。


私はゆっくりと片瀬さんの元に向かう。



「息子の裕介」


「裕介くん初めまして。今日はいっぱい遊ぼうね」


「……」



裕介は黙ったままそっぽを向いた。



「裕介、この人が片瀬さんよ」


「うん」



私は小さな声で片瀬くんに言う。



「ごめんね。こういうの初めてだから」


「大丈夫ですよ」