それから三ヶ月が経ち、出産予定日が後少しになった。
時々お腹を蹴る赤ちゃんが、私の不安をかき消してくれる。
この子も頑張ってるんだから……。
そうでしょ?
シュウの報道は結婚したという報道が一度だけ流れ、それ以来、シュウがどんな生活をしているか、幸せなのかも知らない。
でも、なにも報道がないから、何処かで元気にやってるんだろうと思う。
「すみません、産休ください」
「産休?やっぱり妊娠してたんだね」
上司の南さんが驚きもせず、産休届けの用紙を私に渡す。
「すみません。ギリギリで……」
「いいよ。辞められたら困るし、産休って聞いてホッとした」
私は少し笑って、産休届けに記入する。
「神田さんって結婚してたっけ?」
「……いえ」
「じゃあ、会社の子達には出産のことは言わない方がいい?」
首を横に振り、私は言う。
「気付いてる子は気付いてると思うし、子供の存在を否定するみたいで嫌だから……」
「そっか。じゃあ神田さんが休みに入ったら、皆には俺から話しておくよ」
私は記入して、産休の届けを出すと南さんに言った。
「お願いします」
「うん。頑張って」



