「違うよ」
「じゃあなんの為にそんなこと言ってくるのよ?!元々シュウは私に結婚しようって言ったじゃない!!」
私はシュウの子供をひとりで育てようとしてるのに、いっぱいいっぱいなのに、なんで他の女と結婚するなんて言うの……?
「……」
「ねぇ、シュウ、早く迎えに来てよ……!」
私、なに言ってるんだろ……。
言ってることが滅茶苦茶だ……。
でも、シュウは言った。
「できるならそうしてるよ!!」
「……?」
どういう意味……?
「ごめん。今言ったこと忘れて……。とにかく俺……結婚するから」
「私……シュウがさっき言ったことも、シュウのことも忘れられないよ……」
そう言った瞬間、電話が切れた……。
一度だけかけ直したけど……繋がらなかったよ……。
最後に言った私の言葉、ちゃんと聞こえたかな……?
シュウに……ちゃんと届いたかな……?
でも、もう本当にシュウとはどうにもならなくて、それを伝えたくてシュウが電話をしてきたのは、なんとなく分かったんだ。
そして翌日、シュウが言ってた通りに、シュウと車椅子の女の人が結婚するニュースが、テレビで流れた。
携帯も繋がらなかった。



