翌日から私はバリバリ働いた。
残業も進んで受け、なにも考えないように、不安を打ち消すように、毎日を過ごす。
この子を守れるのは私だけなんだ。
産まれたあと少しの不自由もさせない為、出産後、働ける状況になったとき、会社に受け入れてもらう為、私は必死になって働く。
そして、二ヶ月が経ったとき電話が鳴った。
―着信 シュウ
その表示を見た瞬間、息が止まりそうになった。
なんで今頃……?
もしかして、やり直そうって言ってくれる……?
久しぶりの電話は、少しだけ……私に希望を与える。
「……もしもし」
「……倫子さん?」
「うん……。どうしたの?」
シュウの『倫子さん』の声が、嬉しくて……緊張する。
「俺……」
「……うん」
「……。明日結婚の発表するから」
一気に崖の上から突き落とされた気分になった。
だって、あれ以来、なんの報道もなかったから……。
「倫子さん……?」
「……なんでそんなことを私に言うの?」
「倫子さんには、テレビで知られるより、ちゃんと言っておきたかったんだ」
「もう迷惑だから電話してくるなって、シュウのこと忘れろって遠回しに言う為?!」
感情が抑えられない。



