ニュースの内容は、シュウの恋人宣言で……。
シュウの相手は、あの車椅子の女の人だった。
シュウ、早すぎだよ。
あれからまだ一ヶ月ちょっとだよ?
私はシュウのことを忘れようと必死なのに、シュウはもう私のことなんて忘れたの……?
シュウにとって私は、そんなちっぽけな存在だったの……?
テレビの中のシュウに問いかけても、シュウは答えてくれない。
私がいたくて仕方がなかったシュウの隣は、今はあの女の人の場所なんだ。
私一人、世界から取り残されたような気がした。
それでも前を向いて歩いていかないといけない……。
それはシュウと私のことを誰も知らない環境で、一人で乗り越えていくこと。
「ねぇ、今日倫子の家でご飯食べたい」
仕事帰り、同僚の遥が言った。
「うん、いいよ。なにか作るよ」
「やったー」
会社の愚痴、遥の家で飼っている犬の話をしながら、アパートに着くと部屋に入る。
「どうぞ」
「お邪魔しまーす」
天真爛漫な遥が部屋に入ると、いつも一人で部屋にいるときの雰囲気とは違って、部屋自体が明るくなった気がした。



