「えっと、神田倫子さんにお荷物が届いてます」
私はその声を聞き、玄関に向かう。
段ボール四箱に入った荷物は、シュウの家から届いた荷物で、私は又泣きそうになった。
こんなにすぐに送ってこなくてもいいじゃない……。
こうやって届く荷物を見ると、私も荷物も返品されている気分になった。
必要ないのでお返しします。
そう言われてるみたい……。
なるべく早く家を出よう。
私はこの家にいる限り、電話が鳴っても、人が来ても、シュウを探してしまうから。
もう電話しないでなんて言われたのに……。
私はすぐに仕事を見付け、一ヶ月経ったとき実家を出た。
実家から車で約十五分の場所に、ワンルームの小さなアパート。
カーテンも家の家具も全て新しい物を揃えて、心にポッカリ穴が空いたままだけど、新しく人生をやり直す。
「又明日ね」
「うん、又明日ー」
仕事も少し慣れて、私はアパートに帰り、テレビを付けてご飯を作る。
キャベツを切っていると、テレビからシュウの名前が聞こえてきて、テレビに釘付けになった。
テレビに映るシュウの姿は、もう何年も会ってないような、懐かしい気持ちを感じさせた。



