私は黙ったままうなずく。
「俺、行くよ」
「いろいろありがとうございました……」
「元気でな」
「……三上さんも」
三上さんは軽くうなずき、そのまま帰っていく。
私は深く頭を下げると、三上さんの姿が見えなくなるまで見送った。
寂しいけどこれでいいんだよね……?
滋賀に着いたらお礼の手紙と、切符代を三上さんに送ろう。
感謝の気持ちと一緒に……。
三上さんの姿が見えなくなると、私は改札を抜けホームに向かう。
滋賀に帰るときは、シュウが隣にいるはずだったのに。
そんな気持ちを必死で掻き消す。
電車はすぐに来て、私は東京駅に向かう。
東京駅に着いたら実家に電話しなくちゃ……。
お母さん、ガッカリするかな。
東京はシュウに会う偶然を期待させる。
会いたい。
けど怖いんだ。
こんな気持ちも、いつか消えてなくなるのかなぁ……?
シュウの姿を探していた昔とは違って、下だけを見る。
東京駅にはあっという間に着き、私は人が少しでも少ない場所を探して、実家に電話をした。
「もしもし」
母親の声を聞くと、ホッとして涙が出た。
「……お母さん?」



