「私、今日は帰るけど、どうする?」
「……うん」
ヒデキはまだシュウの家にいるのかな?
三上さんにずっとお世話になる訳にもいかないよね……。
「三上さんが帰ってくるまではここにいるから、三上さんが帰ってきたら、三人で話して考えようか」
「うん」
こんなとき、どんどん考えが浮かぶ紗香って、羨ましい気がする。
紗香の存在がすごく大きく感じた。
そのあと、三上さんが帰ってくるまで、私も紗香もシュウの話しには触れないで、昔の話しや紗香のお腹の中にいる、赤ちゃんの話しで盛り上がる。
そして時間は流れ、インターホンと玄関の開く音が聞こえると、三上さんが入ってくる。
「三上さんお帰りなさい」
「お疲れ様です」
紗香と一緒に三上さんを迎い入れると、三上さんは少し照れた顔をして言った。
「ただいま……。なんか一夫多妻制の夫になった気分だ」
「なかなかいいでしょ?」
「そうだね。神田さん、これ携帯ね」
「あっ、ありがとうございます」
私は三上さんから携帯を受け取ると、紗香と三上さんの携帯番号を入力する。
「じゃあ、俺、又明日の朝にでも顔を出すから」



