お風呂に入り、紗香と一緒に布団の中に入ると、すぐに紗香の寝息が聞こえてきた。
私はあのヒデキとの出来事が、フラッシュバックして眠れない。
なにもなかったんだから……。
何度も自分に言い聞かせて眠ろうとしても眠れない
これがずっと続くの……?
ううん、きっと時間が忘れさせてくれる。
時間が経てば大丈夫だよね?
シュウは今頃心配してるかな……。
ヒデキとどうなったんだろう……?
頭の中がごちゃごちゃになって、これから先のことなんてなにも考えられない。
眠れないまま朝を迎えた。
「おはよ……」
「おはよ」
紗香は少しの間、ボーッとして言った。
「もしかして眠れなかった?ごめんね、すぐに寝ちゃったから……」
「ううん。早く目が覚めただけだから」
「倫子の顔見たら、そんなの嘘だってすぐに分かるわよ」
顔を見合わせてふたりで笑う。
そのときインターホンの音が鳴り、すぐに玄関が開くと三上さんが入ってきた。
「昨日は眠れた?これ、ふたりで食べて」
三上さんはそう言うと、コンビニで買ってきた食糧をテーブルの上に置く。
「ありがとうございます」



