そしてなにも変わらないまま一週間が経った日の夜。
「ねぇ、シュウ。ヒデキのことはなにか分かった?」
「ううん。携帯番号を聞いたけど、名義は全くの別人で接点がないんだ。一応名義人には興信所を付けてある」
「そっかぁ……。シュウのお母さんがシュウ以外の子供を産んだかどうかは分かったの?」
「戸籍を取ったら子供は俺だけになってた」
「じゃあ、シュウの弟じゃないんじゃないの?早く出ていってもらった方が……」
私がそう言うとシュウは冷静に、少し冷たく言った。
「倫子さんには分からないんだよ」
「えっ……?」
「俺、家でずっとひとりだったり、転々としてたから、ヒデキの気持ちが分かるんだ」
ヒデキの気持ち?
孤独だから追い出せないってこと?
でも……。
「実際そんな生活したことないから分からないよ。でもね、シュウはそれでよくても私は嫌なの!シュウひとりで住んでるんならいいけど、私だって一緒に住んでるんだから!」
「……ごめん。でも、ちゃんと調べるまで待って?」
「分からない。限界だって思ったら、実家に帰る!」
「……」
なんで、
こうなるの……?



