「良かったじゃない!」
「うーん……」
「又なにかあった?」
私はヒデキと今まであったことを紗香に話す。
「ちょっと気持ち悪いわね……。大丈夫だとは思うけど、なにかあったらすぐ行けるように住所教えてよ。シュウくんだって、いつも一緒にいられるって訳じゃないだろうし」
「そうだね……」
私は住所とマンションの名前を紗香に教える。
「そろそろ旦那が帰って来るから、今日はもう話せないけど、遠慮しないでいつでも連絡しておいでよ?」
「うん」
「今度シュウくんと遊びに来なね!」
「うん。紗香、いつもありがとね」
「ううん」
紗香との電話を切るとキッチンに向かう。
シュウとヒデキは楽しそうに料理を作っていた。
なんかふたりの間に入る隙はない。
「あっ、倫子さん。今日は疲れただろうから先に風呂に入ってきなよ」
優しく言うシュウの言葉に少し寂しさを感じた。
「……うん」
もしヒデキがシュウを好きだったら……。
男同士だもん。
変なことにはならないよね?
前に男の人と暮らしてたとか言ってたけど、シュウは男に興味なんてないはずだし。
今までにない複雑な気持ちになる。



