「そっかぁ……」
「お袋の方を調べてみるよ。後、ヒデキの携帯電話が分かればどうにかなる。なるべく急ぐからさ、それまで我慢してね」
「うん」
シュウがちゃんと私のことを考えてくれてるだけで嬉しい。
ご飯を食べて会社に戻ると、シュウは仕事、私はマナー教室に行き、マナー教室が終わると十八時近くまで、新宿をプラプラした。
そして又会社に戻り、シュウと一緒にマンションに戻る。
玄関を開けるとヒデキは、飼い主を待つ犬のように、私とシュウを出迎える。
「お帰り!俺退屈でさぁ。腹は減るし、早く飯作ろうよ?」
「うん」
シュウはスーツから部屋着に着替えると、ヒデキと一緒にキッチンに立つ。
ふたりで楽しそうに料理を始める姿を見て思った。
もしかして……ヒデキはシュウが好き?
だから私にはあんな態度を。
まさかね……。
「倫子さんも着替えたら?」
「……うん」
私は寝室に行って服を着替えると、紗香に電話をした。
なんかモヤモヤするんだ。
「もしもし」
「紗香?」
「うん。久しぶりだけど、どう?落ち着いたの?」
「お陰様で。シュウと又一緒に住み始めたんだけど……」



