―翌日
目を覚ますと朝ご飯の匂いがした。
私は急いで起き上がりキッチンに向かう。
するとシュウの隣で楽しそうに話してるヒデキの姿があった……。
「おはよ。倫子さん」
「……おはよう」
シュウの隣にいるヒデキは、私の方を見ないでなにかしてる。
「今、ヒデキが目玉焼き作ってる。倫子さんと違って、なかなかいい腕してそうだよ」
「あっそう……」
私は椅子に座り、楽しそうに料理をしてるシュウとヒデキを見る。
本当に兄弟なのかな……?
なんだかすごくいい雰囲気で、昨日や駒込のときとは別人みたいなヒデキ。
少しすると目玉焼きと煮魚と味噌汁がテーブルに並べられた。
「煮魚はシュウが作ったの?」
「ううん」
「……ヒデキが?」
「うん。食べよ?」
美味しそうだけど、食べてみないと分からないよね?
私はゆっくりと煮魚を口に運ぶ。
……。
美味しい……。
なんかすごく悔しいけど美味しい。
「仕事って料理関係なの?」
「ううん、初めて作ったんだ。兄さんの教え方が上手かったから」
「ふーん」
ヒデキの無愛想な返事が益々私を不機嫌にさせる。
「ヒデキは料理関係の仕事すれば?伸びるよ」



