秀司と東京に来たのはこれで二回目……。
一回目は……秀司も私も思い出したくないくらい、トラブル続きだったんだ。
「着いたな……」
「うん」
「で、どこで待ち合わせてんの?」
「……?」
「高山とだよ」
「待ち合わせしてない。電話してないから」
私がそう言うと、秀司は緊張した顔から、一気に気が抜けた顔になって言う。
「お前さぁ……。これで東京にいなかったら、笑えないだろ……」
「シュウは東京にいるよ」
「なんで?」
「なんとなく」
「……。いいから電話しろよ」
「分かったわよ……」
私は大きく深呼吸をして携帯を取り出す。
本当は怖いんだ……。
少しだけ……ね。
もうこういうのも慣れた気がしてたけど、この瞬間は怖い。
でも、会えなかったらなんの意味もない。
シュウ、電話に出て。
「もしもし」
シュウの声はいつもと変わらない。
大丈夫だよね?
「もしもし、シュウ?」
「うん。あのテレビのことだけど」
シュウが言いかけた言葉を切るように私は喋る。
だって直接話したいんだ。
「シュウは今どこにいるの?」



