「うん」


「開けてもいい?」


「うん」



部屋をそっと開けると、ベッドと本棚とテレビと小さなテーブルがあって、シュウらしいシンプルな部屋だった。

私は中に入って、シュウのベッドに飛び込む。


シュウの匂いがする。
何か幸せ……。



「ねぇ、倫子さん」


「…何?」


「パンツ見えてる」



私は慌てて起き上がり、スカートを下げてシュウに言う。



「見えてないわよ!」



シュウは笑いながら私の隣に座ると、優しくキスした。


胸が苦しくて心臓が速くなる。



「緊張してるの?」


「してない!!」


「顔真っ赤だよ?」


「もう煩い」



私はシュウから離れて、本棚の前に行く。

するとアルバムを見付けた。



「ねぇ、これ見てもいい」


「うん」



本棚からアルバムを引っ張り出し、テーブルの上に広げ、まずは1ページアルバムを捲る。


日本じゃない景色と、シュウが写っていた。



「これ…何処?」


「アメリカだよ」



どのシュウも格好良くて、私は笑顔になって次々と捲る。すると、女の子と一緒に写っている写真が出て来た……。


忘れるはずがない、この女の子の顔……。