「……誰か、ナナミさんとユキさんを見てませんか? まだ、学校にも来ていなくて…。」
教室に入ってきた先生の第一声は、誰もが予想していたのに、衝撃的だった。
誰も、何も言わないし、言えない。いつもならふざけてみせる男子生徒も、先ほどの事があったからか、うつ向いて口を紡いでいる。
「……誰も知らない…? なら、仕方ないわよね。授業を始めましょう。」
先生も、焦りを隠せていない。

その日の授業はもちろん、休み時間すらも静かだった。