闇夜を駆ける。手には、血の付いた包丁。



……………人を殺した。

俺の愛してるミサキを苛める悪者を、だ。
山瀬トモミ。二年三組 三十二番。部活はテニス部。身長は低めで、幼顔。女子からの人気はないが、男子に人気。家は学校から北に向かって歩くこと約十二分。

これぐらいの情報は朝飯前だ。女子に聞けば、すぐに教えてくれる。


全ては、愛するミサキのためだ。
ミサキを苛めてる何て許せねぇからな。
ミサキも、これで少しは安心すんだろ…?

なら、俺が罪の一つや二つを被るなんて容易い事だ。ミサキが良いなら、俺はどうなったって良いんだ。


な、純度 百パーセントの自己犠牲だろ?