『……………確かに、受け取った。』
真っ暗闇で、一年ぶりにあの低い声が響いた。

「これで、私は生き返れるんですよね………。」
安心した表情で言った。もっとも、表情はみえないのだが。

『あぁ。約束は守ろう。』
低い声は静かに言った。

「じゃあ、あの中学校に…………… 」
未練があるから… その言葉は呑み込んだ。

『良かろう。』
快く答える。悪魔と言えど、案外さっぱりした性格のようだ。




真っ暗闇に差し込む一筋の光__。



『……………一つだけ、良いか?』
低い声が珍しく問いかけた。

「? …はい。」
光に包まれながら、静かに答える。

『なぜ もっと早くに殺さなかった。』
それもそうだ。もっと早く殺していれば、もっと早く生き返る事ができた。


「……戸惑ったんですよ。人間ですから。」
ただ、浮かんだ考えがそれだけだった。

『……………そうか。』
声が聞こえたのは、それっきりだった。