『………次のニュースです。都内の中学校で、女子生徒が殺害されました。女子生徒は、両腕 両脚、顔を胴から切り離された状態で見つかりました__。』

今から、約一年前。朝のニュースで流れていたのは、昨日起きた事件についてだった。
とある中学校で、女子生徒の死体が発見された。死体は両腕 両脚 頭 胴とバラバラに切り離されていた。死因は失血死。三日後には、女子生徒の葬式や通夜が行われた。しかし、一年たった今でも、犯人は捕まっていない。


『……………お前をもう一度、生かせてやろうか?』
低くてよく響く声。

「だ、れ………?」
虚ろな目を懸命に開けるが、辺りは真っ暗闇だった。

『そうだな………。悪魔、とでも言っておこうかな。』
低い声はからかう様子もなく言った。

「あ、悪魔……………っ!?」
体が小刻みに震える。

『例え話だ。とにかく、お前は七人の女子生徒を一年以内に殺せ。』
低い声は、同時に 落ち着いているかのように聞こえる。

「人を、殺す……………。」
驚きと恐怖で目を見開いた。相変わらず、墨を塗りたくった様な暗闇だ。

『そうだ。そうすれば、お前をもう一度、生かせてやろう。』
何とも魅力的な話ではないか。

「本当、ですか?」
恐々と聞いた。

『あぁ。本当だ。』
その声は、笑った。顔など見えないのに、確かに笑ったのだ。