あのあと俺は部屋に引きこもった

頭が真っ白でまだ信じられない

それでも真っ赤な血に染まったかれんの姿とかれんの血に染まった自分が頭からこびりついて…

何してる時も忘れることができなかった


「れん?広斗君が来てくれたわよ?」

「おばさんあとは俺が話しますからいいですよ?」


ドアの前で二人が会話した後母親は一階へ行ってしまった


ーコンコンー


「入るぞ?」


俺はベットに寝転び布団にくるまっていた

広斗は俺の部屋に入ってきてベットへ座った


「学校……来いよ…皆お前の事待ってるからよ」


俺は無言のまま動かず話を聞いていた


「このままこもるつもりか?」

「………」

「サッカーはどうすんだよ!練習試合も来ねぇーで!試合も来ないつもりか?」


ベットに座って前を向いていた広斗は後ろに振り返った

そして無理やり布団をはぎ俺の肩を掴み言った


「かれんちゃんとの約束破んのかよ!
おまえの…れんのサッカーしてる姿が好きだって!なのにお前は…
何一つ約束を守らずこんなとこで何してんだよ!」

「約束を守ろうと…守らないと…広斗には関係ないだろ?…しかも約束した本人はもういない」


広斗は俺の胸ぐらを掴みかかった


「お前はなんのためにサッカーやってたんだよ!どうしてやろうと思ったんだよ!練習試合……負けたんだぞ?」

「それが何だよ!」


俺も胸ぐらを掴み返し怒鳴る

広斗は我慢をしていたのか涙を流し言った


「今度の……本番試合、……負けたらどうなるか…知ってるか?……」

「はぁ?何が言いてんだよ?そんな事知らねぇーよ」

「もし…負けたら……予選に上がれなかったら……サッカー部は……廃部………」

「は?どうゆうことだよ!」

「ある奴は転校するらしい…
他の奴ら何人かも…うちのサッカー部がなくなったら…転校するらしい…
他の奴らも海外に留学すんだよ!」

「それ…どうゆうことだよ!」

「これで最後かもしんねぇーんだぞ?
今のチームでのサッカー出来んのは……
いいのかよ!お前逃げんのかよ!なー!
れん!!」


頭が…話がついていかない
広斗の話が…言葉が…何も頭に入らない
俺だけの時間が止まってしまったように
それでも広斗は話を続ける

「逃げるな!目をそらすな!前を向け!進め!れん!!!戻って来い!」


広斗はそうの後立ち上がりドアへ向かった


広斗はドアの前で立ち止まり聞こえるか聞こえないかの小さな声でそっとつぶやいた


「生きろ……俺は先に行く……」


そう言ってドアの向こうに消えていくように


広斗は帰っていった