牢屋の隙間から投げられたグローブ。
僕はそれをキャッチした。
「キミは…。」
「俺?そう言えば名前いってなかったや!八城昴(やしろ すばる)!ヴィジョンはヘイムダルだよ!」
…は?ヴィジョン?ヘイムダル??
何語ですか?
昴と名乗る男の子は意味不明な事を言い出した。
「キミのヴィジョンはトールだよね?見てたよ、スルト戦。」
「え?ああ…うん。」
…多分あれかな?もう一人の僕の事かな。トールって言ってたし。
…ふーん。ヴィジョンって言うんだ。
「僕は如月恭。」
「うん、恭だな。覚えた。」
…それで?この人は何をしにここに来たんだろう…。
昴君は足をバタバタさせていた。
「何してる?早く出なよ。」
「ええっ!?無理!」
だって鉄格子だし…。
「もー!グローブ渡した意味ないじゃん!」
「ご…ごめん。」
なんだか謝ってしまった。
「いいよ、僕がやるから。…来い!ヘイムダル!」
昴君がそう言うとまわりの音がキーンと鳴った。
耳が少し痛い…。
「ねえっ!昴君!これ何の音!?」


