すぐに悲鳴の聞こえた方へ皆で駆けていく。








すると、腰を抜かして立てなくなった雛がとある部屋の前にいた。









部屋の扉は大きく開いており、その中を雛は震えながら指さしていた。









「どうしたの!?何かあった?」








「――れ。あ…れ、あれ!」








ただならぬ様子に私が雛に話しかけると、雛はあれ、と声を出してやはり部屋の中を指さす。








「あれ?部屋に何かある――ヒィッ!!」








思わず声を上げてしまった。









部屋をのぞき込むと、中にあったのは大きな水槽とその中で漂っている黒い気味の悪い化け物。









目だけが赤く鈍く光っていて、こちらを見ている気がする。