「知由美!目ぇ、覚ましたか!よかったぁ」
「あんた、遅い!いつまで寝てんのよ!」
「大丈夫ですか?随分と寝ていたようですが。」
「…大丈夫か?」
十人十色という言葉がぴったりなほど、皆、違った反応をする。
――雛は何なの!?ちょっとは心配ぐらいしなさいよ!
少しイラッとしたが、何だか違和感を感じる。
違和感の正体を知ろうと周りを見渡すと
「あれ…?奈菜は?」
私のよく知っているつい先程まで一緒だった奈菜がいないことに気が付く。
――どうして?何で奈菜だけいないの?まだ気を失っているだけ?
私は嫌な予感がしてならなかった。
奈菜がいないような気が…
