「知由美!空姫様って知ってる?」
「空姫様?知らない。何それ?」
私の名前は前狩 知由美。
中学三年生になったばかりで、これからしなければならない受験に億劫になっている。
そんな時、学校の廊下を歩いているいると、後ろから ドンッ と衝撃がくる。
何かと思って振り向くと、そこには親友である村井 奈菜がニコニコとしながら立っていた。
「空姫様はね、都市伝説なんだけど。会うと、なんでも願い事を叶えてくれるんだって。」
「へぇー、何でもねぇ」
どうせ都市伝説でしょ?
――そんなの探す暇があったら、勉強でもしなよ。
そう、探したことのある人たちに心の中で毒づくと、
「でね!一緒に空姫様を探してほしいんだけど!」
――さっき毒づいた罰か何かですか?