「来てくれ」
な、なんかさっきと言い方違うし…。
「何をそんな…」
「俺もひとつ言っとく」
玄野くんはその真剣な顔のままあたしをじっと見つめた。
「絶対におまえをおとしてやる」
その熱い視線に何も言えないでいると、玄野くんがさらに言葉をつなげた。
「俺以外考えられなくさせてやる」
そんな言葉を残すと玄野くんはあたしに背を向けた。
「そ、そんなのムリだから!」
歩いていく玄野くんの背中に向かってそう叫ぶ。
「ムリなんだからね!」
まだドキドキしている胸に手をあて、あたしはその背中が見えなくなるまで立ちつくしていた。