結菜が他連合を抜かすとか、1位になるとか、もはや俺にとってはどうでもよかった。 本当は走ってほしくないと思っている。 だけど、結菜の思いを尊重する。 ただ、もうこれ以上苦しまないでくれ…。 その思いに突き動かされて…… 大歓声の中、1位でバトンを渡した結菜がふらりとよろける。 「結菜!」 その体を後ろからぎゅっと抱きしめた。