「俺は結菜の味方だけど、お前の味方じゃない。だから気の利いたことは言わねぇけど…」



長瀬は俺をしっかりと見つめた。



「話せ。まだなにも結菜から聞いてねぇんだろ?」



たしかに…そうだ。


俺は結菜の話を聞かなかったし、聞こうともしなかった…。



「それだけ。じゃ」



去っていく長瀬の大きな背中を見つめる。


長瀬は元気づけてくれたのだろうか。


あんなに結菜のことを好きなのに?


ふっと笑顔がもれる。


不器用だな。


   ☆   ☆


そしてついにスウェーデンが始まった。



正直、見てられないほど結菜は辛そうだ。