私は屋上に上がった。
昨日から洗濯機が故障して動かない。
だから、屋上にある共同で使える洗濯機を使用させてもらうことにした。
朝早くだから、誰もいないだろう。
天気もいいし。
あれ?
なんか、綺麗な歌声。
だけど、面白い歌。
洗濯ものを干しているのは春さんだった。
「えっ?!くるみちゃん?な、なんでここにいるの?」
「私、ここのマンションの3階に住んでいるんです。」
「僕は4階なんだ。」
「びっくりですよ。それにしてもさっきの歌。面白すぎです。」
「あっ聴いてた?!恥ずかしいな。」
「朝からいい気分になりました。ありがとうございます。」
「いやいや、僕こそ朝からくるみちゃんに会えて幸せだよ。」
お世辞ってわかっているのに、私の心は揺さぶられた。
春さんは私の中にあるなにかをみつけさせた。