今日はなに食べようかな〜!っと。


のんきに考えているとすぐにカフェに着いた。


「いらっしゃい!なににする?」

「ガートーショコラとカフェオレ!」

「はい、1050円ね」

お財布の中をみる。

え?

うそ…

500円しかない…

どうしよう汗


「おじさん!ごめん、お金今度じゃダメ?」

「おっないのか?いいよ!」

「ごめっ…」

おじさんに謝ろうとした時、横に現れたメガネをかけた男の人だった。

黒い少しパーマがかった髪、長身で180センチはあるだろう。

彼は私の横に立っていた。


「僕が払いますよ。おじさん、何円?」

「えーっとね、1050円」

「はい。」
彼は私のお代を出してくれた。

「困りますよ!」
私は見ず知らずの人にこんなことはもうしわけない!と思った。

「いいですよ。このくらい大人に払わせてください。」

メガネ越しで優しいそうに微笑んでいるのがわかった。

横に立っていて彼の横顔から少し見える瞳はとても綺麗で彼の声は美しかった。


「本当ありがとうございます」

「いえいえ、よければご一緒いたしませんか?」


「えっ?いいんですか?」

「ええ。今日はお客さんいっぱいですし」

私は辺りを見わたす。
確かに今日は混んでいる。

男の人に甘えて、相席に座らせてもらった。


彼は黙々となにかを書いている。

失礼であるが覗きこんでしまった。


「みたいですか?」

私の行為がばれていた。

彼はまた微笑んで見せてくれたのは楽譜だった。

「音楽関係の人になんですか?」

「ええ。一応そうですね。」

「私、ROCKがすきで、Springshine知ってますか?私大ファンで」


「知ってるよ」


えっ?
なんで?


「君がよく歌ってるの知ってるよ」


また微笑んだ彼。


卑怯だ。


「僕、週末に近くのライブハウスでライブしてるから見に来てよ。貸しはそれでチャラでいいよ。」

「そんな!だめですよ!!ちゃんと払います。それかなにかさせてください。」


「わかったよ。じゃあライブの時までに考えておくね。僕の名前はしゅん。春って書いてしゅん。よろしくね。」


「はい!私は伊勢くるみです。」


「くるみちゃんか〜美味しそう。」


本当に彼は本気で言ってるのだろうか。


その日は春さんと楽しく話してマンションへと帰った。