「そういえば崎本さんは……誰かにバレンタインのチョコあげたの?」


「……っえ!?そ、そんなまさか!あげてないよ!」


「そっか」


桜田くん、どうしてそんなこと聞くの?
なんでって考え始めると、また胸が熱くなった。


それから私の家につき、玄関に座らせてもらった。



「桜田くん、本当にごめんね」


「いやいや、全然!気にしないで」



桜田くんは少し恥ずかしそうに笑う。



その姿にキュンとした。
今日私、どうしちゃったんだろう。
すごく胸が熱くて、ドキドキする。



桜田くんのせい、かな……?



「じゃ、俺はこれで。またね、崎本さん、ココちゃん」


「ば、ばいばい!」



桜田くんは優しい笑顔で手を振って、帰っていった。



「よいしょと……」



時間が経ったおかげか、少し痛みも引いて、自力で自分の部屋まであるいて消毒をしてバンソウコウを貼った。



「はぁ、もう私ってばほんとドジだなぁ」



なんてつぶやきながらベッドに寝転ぶと、ふとさっきの桜田くんの背中の感覚が思い出される。



すごくあったかくて……すごく安心する匂いがした。



……って、これじゃ私、ヘンタイみたいじゃん!