どうしよう、痛くて立てない……っ!



ココは私に駆け寄ってきて、心配そうに見つめる。
すると、目の前に大きな手が差し出された。



「崎本さん!だ、大丈夫……?」


「あ、桜田くん……!」



顔をあげるとそこにはクラスメイトの桜田柊矢(さくらだしゅうや)くんがいた。



「つかまって」


「あ、ありがとっ」



桜田くんの手をしっかり握って、ゆっくり立ち上がる。
でも膝はとても痛くてガクッとなってしまう。



「うーん……そうだ、俺の背中にのって?」


「え!?」


お、男の子の背中にのるって……。
ど、どうしよう、ドキドキしてきちゃったよ……っ!


「いいから」



私はコクンと頷いて、なんとか時間をかけて桜田くんの背中にのった。



「家、どこにあるの?」


「え、そんな……」


「遠慮しなくていいよ。どうせ俺、暇だしね」


「じゃあお言葉に甘えて……」


桜田くんの優しい声と優しい匂いにすごく安心した。
それと同時に顔が少し熱くなる。
おそらく今、私は真っ赤だ。