「明日は家で大人しく過ごそう……」
そうつぶやいて、家に入った。
―――そして次の日の昼。
「美味しそうだなぁ~……」
私は自分の部屋のベッドでレシピ本のチョコマフィンを見ながら言った。
ちょうど材料もあるし、自分用にバレンタインチョコとして作っちゃおうかな。
なんてね。
すると、背中に重みを感じた。
「ワン!ワンワン!」
「も~ココ、重いよ~」
重みの正体は、愛犬のトイプードル・ココだ。
散歩に連れてってと言わんばかりに私の背中の上を駆けまわる。
「ワン!」
「わかったよぉ……お散歩連れてってあげるから待ってて?」
渋々ベッドから出た私は、部屋着からお気に入りのニットとマキシスカートを着ると、ココにリードをつけて家を出た。
「ふぁあ……」
眠くて大きなあくびが出る。
ココは私と違って元気で、どんどん歩いていく。
「ココ、歩くのはやいよ~」
そのときだった。