待ちに待った月曜日の昼休み。
私は桜田くんが一人になるのを見計らっていた。
「まさか、愛維の初恋が桜田くんになるとはね……」
ミオちゃんは私が桜田くんを好きになったと言うと、すごく驚いていた。
「桜田くんを一瞬で好きになっちゃったんだもん」
「まぁでも親友の恋だもん、応援してるから。頑張ってきなよ」
「うん!」
すると、桜田くんがちょうど友達のところから離れて、一人で教室を出た。
「愛維、今だよ!」
「うん!」
私は綺麗にラッピングしたマフィンを持って、廊下に出た。
「さ、桜田くんっ!」
「あ、崎本さん。どうしたの?」
桜田くんは土曜日と同じように優しく微笑む。
その笑顔に私の胸はまたドキドキし始めた。
「あっ、あの、これ……っ!」
私は桜田くんの胸に押し付けるようにマフィンを渡す。



